関節リウマチ

関節リウマチとは

主に免疫の異常により、関節を包む滑膜に慢性的な炎症が生じ、痛みや腫れ、こわばりなどの症状が現れる病気です。
そして病状が進行すれば、関節にある骨や軟骨は破壊され、次第に関節が動かなくなり機能障害を起こし、日常生活に支障をきたすようになります。

20年ほど前から早期発見・早期治療が大事で、発症から2年以内に治療をすれば関節予後は良好であると言われておりましたが、最近では2年という期間は長すぎる、もっと早期に診断、治療を行うことが大事であると言われております。

治療前
3年後
6年後(自験例)

特徴としては、30~50代の女性に発症しやすく、男女比は1: 3と女性の患者数が多いです。
発症部位に関しては、関節であればどの部位でも起こる可能性はありますが、起きやすい箇所として、手首、手の指の付け根、第2関節、足の指の関節といった小さな関節や足首、膝等で、それぞれ左右対称の位置で症状が起きるようになります。

(2015年リウマチ白書)

最近では、高齢化に伴い、65歳以上で発症する高齢発症関節リウマチも多くみられるようになり、こちらは両肩に強い症状が認められることが多く、男女比は変わらないとされております。

前述の通り、自己免疫疾患の炎症によって生じます。
発症に至る流れは、体質的に関節リウマチを罹患しやすい方に何らかの原因が加わり、引き起こされるのではないかとされています。
例としては細菌やウイルスなどの病原体に感染した、ストレスや過労、出産、喫煙、ケガなどが挙げられます。
最近は歯周病や腸内細菌との関連も言われております。
初期症状としては、起床した際に30分以上手がこわばる、手指等の関節に対称性の腫れや痛みがみられるほか、倦怠感、微熱などもみられます。
心当たりがある場合は早めにご受診ください。

検査について

診察の結果、関節リウマチが疑われる場合は関節に痛みや腫れがないかを検査します。
問診と身体診察で関節リウマチが疑われる場合には血液検査でリウマチのマーカーや炎症反応などを調べます。マーカーとしては抗CCP抗体とRF(リウマチ因子)、ANA (抗核抗体)が大事です。
炎症反応はCRP、血沈、MMP-3などにより測定します。
さらに骨や関節の状態の変形具合を見るための画像検査としてX線撮影、現在の関節内部の炎症を評価する目的で関節超音波検査等を行います。
時により関節MRIで評価することもあります。

抗CCP
抗体
RF
診断感度 80% 80%
診断特異度 98% 67%
早期診断 (+) (+)/(-)
関節破壊予測 (+) (-)
現在の病勢判断 (-) (-)
治療反応性反映 (-) (+)

造影関節MRI(自験例)

治療について

治療としては、保存療法と手術療法があります。
治療の目標は関節が破壊されないよう、炎症による痛みや腫れが起きない状態(いわゆる寛解)にしていきます。
主な保存療法は薬物療法です。
免疫を抑制する内服薬(抗リウマチ薬)は数多くありますが、メトトレキサートが中心的な役割を果たします。
アンカー(船の錨)ドラッグと言われ6-7割の患者さんに使用されておりますが、状況によっては他の薬剤を使い分けていきます。
以前はステロイド薬やNSAIDsは多くの患者さんに使用されておりましたが、最近ではステロイドについては出来るだけ少量で短期間にとどめるようにするという考えが広まっております。
また高い治療効果があるとされる生物学的製剤(バイオ)として、TNFα阻害薬、IL-6阻害薬、T細胞活性抑制薬などが使用することがあります。
リウマチ疾患治療のゲームチェンジャーとして有名で、点滴あるいは皮下注射で投与します。
本邦では2003年に発売され、20年以上にわたり、数多くの患者さんに用いられてきました。
さらに最近では経口薬の分子標的剤としてJAK阻害薬が登場しております。
バイオ製剤でも効果に乏しかった患者さんにもこれらの薬が奏功することがあり、患者さんにとって治療の選択肢は大幅に拡がりました。
ただこれらの薬剤はいずれも費用が高価であり、適応には慎重さが求められます。
近年バイオシミラーというジェネリック薬品も登場しております。オリジナルの薬剤に比べて遥かに安価であり注目されております。
このようにすぐれた治療薬が出てくることで、治療効果の判断方法も大事になってきます。
以前は診察(関節の腫れや圧痛などを調べる)や血液検査などで行ってきましたが、最近では画像を用いたより正確な評価も併用されます。

治療前
開始6ヶ月後
薬剤変更2ヶ月後

手首の関節超音波.
治療開始前と治療後・変更後 (自験例)

このような薬物療法だけではなく、関節可動域維持・回復目的に、また筋力維持・回復目的のリハビリテーションも相変わらず大事であることは言うまでもありません。
手術療法に関しては、数多くの有効な治療薬の登場で、出番が少なくなったと思われがちですが、そうでもありません。膝や腰などの人工関節置換術だけではなく、手指や足指といった小さな関節にも手術が行われます。
滑膜切除術、関節形成術、人工関節置換術、関節固定術などがあります。

休診日
日曜日・祝日
最終受付
午前・午後終了30分前まで
★:9:00~13:00
*三井記念病院からの派遣医師
診療時間 日祝
9:00~12:30 *
14:00~17:30
院長
鈴木 曉岳
診療科目
リウマチ科、膠原病内科、内科一般
住所
〒164-0001
東京都中野区中野2丁目24番11号
ナカノサウステラ・オフィス棟 5F
TEL
03-3380-8585
最寄駅
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